ものもらい

関東地方では、ものもらい、と呼ばれる急性化膿性眼瞼炎です。

まぶたが急に赤く腫れます。さわると痛みがあります。医学的には細菌感染による急性炎症で、麦粒腫(外麦粒腫・内麦粒腫)と霰粒腫の急性炎症があります。関東地方では一般に、ものもらいと言われます。関西地方では、めばちこ、めぼ、と呼ばれます。「麦粒の大きさ」の腫れ物という意味の医学用語ですが、医学英語名は hordeolum です。この語は大麦を意味する hordeum が語源となっています。西洋医学が日本に入ってきたときに、そのまま翻訳されたものと思われます。

まぶたが腫れている部位を見ますと、まつ毛の付け根付近が化膿するタイプと、まつ毛から離れた部分が化膿するタイプがあります。まぶたの内部には、マイボ-ム腺という目に大切な脂肪を分泌する脂腺とその導管があり、この組織が健康状態を逸脱すると、脂肪肉芽腫をつくります。これが急性の炎症を起こし、そこに細菌感染が加わると、一気にまぶたが腫れあがります。

ドラッグストアで目薬を購入して、明日は良くなるかも、と医者に行かないでいると、1日、2日の経過で、大きく腫れあがることがあります。明日は良くなるだろう、という期待通りに改善しないときには、1日でも早く診察を受けることをお勧めします。 気づいた翌日、翌々日であれば、抗生剤の点眼と内服でほとんど治ります。ぐずぐずしていて1週間を過ぎてから受診すると、 治療をして炎症が落ち着いても、まぶたにしこりが残ることがあります。
近年、経口内服抗生剤の性能がさらに向上し、手術に至る症例が大きく減っています。早めに受診すること、指示通りに抗生剤の内服と点眼をすることが要点です。