健診で 目の異常を指摘されたら

職場の健診で眼科受診を指示されたら

「健診」と「検診」の違いをご存知でしょうか。
健診とは、健康診断のこと。健康に生活している人の身体の状態を点検します。疾患を専門とする医師が診察するのではなく、測定が主です。労働安全衛生法は、事業者に、雇用する労働者に対し医師による健康診断を義務づけています。会社や市町村で毎年受ける健康診断がこれです。既往歴及び業務歴の調査、自覚症状、他覚症状、身長、体重、腹囲、視力、聴力、胸部エックス線検査、喀痰、血圧、貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン)、肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP、血中脂質検査(トリグリセライド、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール)、血糖検査、尿検査、心電図検査などが含まれます。
検診とは、特定の疾患に罹患しているかどうかを、疾患を専門とする医師が検査するものです。胃がん検診、肺がん検診などがこれに当たります。
会社の健康診断で、目の異常を指摘された場合、上にお示ししましたように、眼科疾患を専門とする医師が診察診断したものではありません。検査員が測定した視力および眼圧、検査員が撮影した眼底写真から、健診を担当する医師が正常とは違うと判断した場合に、判定:(異常)と結果に記載され、眼科を受診するように勧められます。
ですから、眼科疾患を専門とする医師が複数の検査を追加して専門的な診察をしてみると、実は異常ではなかったということもあります。ただ、その場合にも、まったくの正常を異常と判定してくることはまず無く、異常のように見えるが、専門家からすれば、治療の必要が無い状態である、と診断確定することになります。
従いまして、健診で異常と判定された場合には、数か月以内に眼科専門医の診察を受けることをお勧めいたします。1年放置しても、どうせまた来年の健診で同様の異常を指摘されることは間違いないでしょうから、先延ばしすることは賢明ではないでしょう。
混雑している時間帯に初診しますと、必要な検査が後日の予約となり、大切なお時間を浪費することになりますので、初めて受診する前にあらかじめ電話をして、健診の判定を医師に伝え、検査時間の便宜を図ってもらうのが得策と考えます。