アイフレイル とは

アイフレイル その概念

フレイルとは、英語の frail に由来する言葉です。高齢や病気のために虚弱になり、瘦せ衰えた、という意味です。
戦後、日本社会が安定し、国民の生活基盤や栄養、医療が向上したことにより、寿命が延びました。その後、寿命の延びは頭打ちとなり、今度は健康寿命を延ばすことが、国民の幸せと医療費の抑制になる、と提唱され、がん検診、成人病予防、メタボリックシンドローム予防、ロコモティブシンドローム予防などという概念が次々と政府、メディア、医療界から世に送り出されてきました。
2014年にフレイルという日本語が、日本老年医学会によって提唱されました。ヒトは、高齢になれば、身体、頭脳(認知)、社会活動における性能が低下するのは当たり前ですが、機能低下が複合すると、病気や怪我を起こしやすくなります。逆に、早期に機能低下を検出して有効な対策をとれば、悪い方向に進みにくくなる、と期待できます。
アイフレイルという言葉に馴染みはなくても、オーラルフレイルという言葉を聞いたことがあると思います。歯を失う、嚥下力が低下する、唾液が出ない、咀嚼力が低下する、という老化を放置していると、栄養障害や肺炎を起こして、虚弱になり、あるいは早く死亡する、という事実があります。ここで、歯を治療し、口や舌のリハビリテーションを取り入れることにより、健康長寿の方向に戻すことが期待できます。
アイフレイルも同じように、加齢により生じる眼の衰えに、身体内外からの要因が加わって、機能低下した状態、またそうなるリスクが高い状態を指します。フレイル状態を検出し、適切な医療や介護サービスにつなげることで、疾病を予防し、重症化を予防し、健康寿命を延ばすことを目的としています。視力や視野の衰えは、日々の行動を制限しますので、健康寿命には、眼が大きく影響します。

アイフレイル セルフチェック

アイフレイルは、日本眼科啓発会議が、対策活動を行っています。その母体は、日本眼科学会、日本眼科医会、日本眼科医療機器協会、日本コンタクトレンズ協会、日本眼科用剤協会です。
啓発会議のホームページに、アイフレイル自己チェックの方法が載っています。

目が疲れる
夕方 見にくい
長時間 読書できない
食卓が汚れる
メガネをかけても良く見えない
ヘッドライトがまぶしい
まばたきすると見やすい
線が波打って見える
段差、階段が見にくい
信号を見落とす

自宅で 簡易スクリーニング検査を

また、この日本眼科啓発会議のホームページには、パソコン画面やスマートフォン画面で検査できるセルフチェックツールが提供されています。白内障、緑内障、加齢黄斑変性を検出する多数の項目があり、役に立ちます。

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