白内障

黒目が白くみえます。以前よりもかすんで見えます。

はくないしょう

水晶体は凸レンズの形をしています。この凸レンズが、目の前に見える景色や文字を網膜に結像します。光学的な原理は、カメラと同じです。若いときには透明であった水晶体は、加齢により次第に白い濁りを生じます。白くかすんで見える、みにくくなった、というのが自覚症状です。室内では楽なのですが、外出すると、まぶしく感じることがよくあります。瞳孔の直径は通常3mm程度ですので、水晶体の中央に濁りが出るまでは、自覚症状が出ません。水晶体の中央部分に濁りが出ると、物を見たときに白くかすむようになります。散瞳剤を点眼して瞳孔を開くと、水晶体全体を観察できるので、水晶体の濁り(白内障)を正しく診断することができます。

瞳孔中央には白内障が無いが、散瞳(医薬品で瞳孔を大きく)してみると白内障が分かる

はくないしょう
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自分で見にくさに気づいたときには、すでに白内障はある程度進行しています。結膜炎や飛蚊症で眼科の診察を受けたときに、医師が初期の白内障を見つけることがよくあります。
白内障の進行を遅らせる点眼薬を処方します。毎日4回(少なくとも2回以上)の頻度で点眼しますので、少々面倒くさいことは確かです。虫歯、歯槽膿漏を予防するために、毎日歯を磨く習慣のある方は、歯磨きのたびに点眼することを思い出すと、楽にできます。
視力がさらに低下して、日常生活が不自由に感じられるときには、手術で濁った水晶体を取り除き、透明な眼内レンズを挿入します。
2015年7月、 lanosterol が白内障の予防および治療に有望であるとの論文が、Nature 誌に掲載されました。近い将来、点眼薬として実用化されれば、白内障手術の需要が大きく減少することが期待されています。