アレルギー性結膜炎

春の花粉症で、よくみられます。結膜(しろめの結膜、まぶたの裏の結膜)が赤く充血しますが、なによりも苦しいのが、「目のかゆみ」です。

アレルギー性結膜炎

原因は アレルゲン

花粉やハウスダスト(アレルゲンと呼びます)が、目に入ると、IgE抗体が作られ、肥満細胞(免疫細胞)と結合します。アレルゲンの量が増えると、肥満細胞の内部からメディエイター(ヒスタミンなど)が外に放出されます。このメディエイターが、結膜の血管や神経に到達すると、血管の拡張(充血)、目のかゆみを生じます。

国民の半数が アレルギー性結膜炎

(出典は、2022年4月号の日本眼科学会雑誌です。)日本眼科アレルギー研究会の調査によると、アレルギー性結膜疾患は、国民のほぼ半数弱が罹患しています。スギ、ヒノキ季節性アレルギー性結膜炎は、ほぼ3割です。通年性アレルギー性結膜炎は、ほぼ15%です。

スギ、ヒノキ 以外の原因は

春のスギ花粉症、ヒノキ花粉症が有名ですが、秋にはブタクサ花粉症、ヨモギ花粉症でかゆくなります。また、ハウスダストは、季節を問わず、原因となります。

スギ花粉は、11月から飛んでいますよ

花粉症は、1月下旬からでしょう。と思われがちですが、血液の血清中の抗原特異的 IgE 抗体価を調べたところ、春より前の11月に、陽性率の上昇が確認されました。春を迎える前に少量の花粉が既に飛んでいる、と考えられています。

予防するには

毎年、花粉症の時期になると、テレビや新聞で、解説がありますので、いまでは常識になっていますが、外出する際にはマスクやゴーグルめがねで、花粉の侵入を防ぐ。帰宅する際には、服に付着した花粉を室内に持ち込まないように注意する。室内をこまめに掃除する。点眼薬は、定時に使用することが、症状を軽くします。

効果の高い 点眼薬は

目のかゆみを抑えるには、ヒスタミンH1受容体拮抗薬がきわめて有効です。メディエイター遊離抑制薬を併用することもあります。良い製品が出て、数年経過すると、さらに良い製品が世にでてきますので、現時点では、効果が強く、さらに1日2回の点眼で済み、持ち歩く必要がなくなったアレジオンLX点眼薬が、最適と考えています。

鼻の薬 や 内服薬は

目だけではなく、鼻の症状も強い方には、鼻噴霧薬や内服薬を併せて処方します。

<< よくある病気について に 戻る